22ステップ2に生きるために、状況に合った暮らし方・生き方をしようとしているのです。そこで老いが進むにしたがって、暮らしや活動を変えていく心積りをするわけですが、その際には、「どのくらい老いたか」を区分して、「かくかくの段階になったら、しかじかのように暮らそう」などと考えることになります。そこで、老いの進み方を測る物差しが必要になります。2 -1 加齢と《フレイル》「老いていく」というのは、これまでできていたことがだんだんできなくなっていくことです。少しずつできなくなっていくのですが、 私たちはこれから先のことを考える場合に、老いて、いろいろなことが若い時のようにはできなくなっていくのに応じて、暮らし方を変えたり、働き方や趣味を変えたり、疾患にかかった場合にどのような治療やケアを受けるかについての希望を変えたりして行きます。本書冒頭の8-9頁でも、そのことに触れました。現在は医療が進歩して、 健康保持、 疾病予防がよくできるようになって、 多くの人は超高齢になるまで生きられるようになりました。 ですから、 あなたが現在壮年期を過ぎて高齢期になっているとして、 まあまあ健康でおられるなら、 90歳頃まで生きる可能性が大きいと言えるでしょう。 そこで、 ここでは、 そういう道をたどると仮定して、 これから先の暮らしと、 どこかで病気になったり、 老いによって衰えたりした時の治療やケアについて心積りしておきましょう。私たちは、老いが進んで、 変っていく自分の状態 ・ 備えている心身の力に合わせて、快適に・前向きその物差しとして、本冊子では「臨床フレイル・スケール」をベースにすることにしました。この尺度は国際的に認められているもので、専門家たちはこれを物差しにして、例えば「老いがかくかくの段階になったら、もうしかじかの治療はしないほうがよい」といった医学的な判断ができるようにしたいと研究を始めています。「フレイル」というのは、これまで「老い」と呼んできたことに相当する医学的な用語です。次にこれについて説明します。今後の暮らしと 活動についての心積り
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