403-2 生命維持3-2-1 生命維持 水分と栄養例で考えましょうむせることがよくあります。熱が出て辛くなり、受診すると、誤嚥性肺炎だと言われます。栄養補給をするかどうか」が先決問題です。た人工的栄養補給をするかどうかを考える状況は共通しています。生命維持を行って生き続けられるなら、やらねばならないか?本項と次項では、生命を長持ちさせる手段のうち、医学的な介入としてなされるもの(生命維持治療)について考えます。生命維持治療としては、人工呼吸器により呼吸を助ける、人工的に水分や栄養を補給する等の方法があり、前項までに考えた積極的治療に伴ってしばしば行われます。そういう場合は積極的治療の一部ですから、積極的治療をするとなったら、それに伴って実施することになります。また、この場合は治療が功を奏して身体が回復してきた場合には、自力で呼吸したり、飲食したりできるようになるでしょうから、生命維持を終了することになります。ここでいう生命維持は、そういう積極的治療に伴う場合ではなく、身体が衰えてきて、自力では十分な呼吸ができなくなった、十分飲食ができなくなった場合に、それを補うことによって、生命を長持ちさせようとすることです。本項では、まず、飲食ができなくなってきた場合を考えます。高齢になって、口から食べたり飲んだりすると、誤って気管支のほうに行ってしまうようになりました。さて、ある高齢者は、病院で診察を受けたところ「嚥下機能(ごっくんと飲み込む働き)に問題が起きています。それで食べたものが、食道から胃に行くべきなのに、気管支から肺のほうに行ってしまうんですね。さしあたっては口から飲んだり食べたりするのは危険です」とのことで、「人工的に栄養補給をするかどうかを考えましょう」と医師から言われました。人工的水分・栄養補給法には、いくつかのやり方がありますが、比較的長期間必要だという場合、《胃ろう》といって、お腹から胃にごく小さな穴をあけて、そこにチューブを通す器具を取り付ける方法があります。そのチューブを通して水分や栄養を人工的に栄養補給して生命を保つ方法が、まずは候補になります。この他、「経鼻経管栄養法」といって、鼻から喉・食道を通して胃にいたるチューブを入れ、それを通して水分・栄養補給をするとか、「中心静脈栄養法」という胸の鎖骨の近くから太い静脈に経路を作って、高カロリーの輸液をする方法があります。本人・家族にとっては、こうした人工的水分・栄養補給の具体的方法を考えるに先立って、「人工的に以下では、人工的栄養補給をするかどうかを考えた例を3つみてみましょう。3例とも、以上に説明し
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