心積りノート考え方・書き方編
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553-4-2 蘇生心肺停止したら、蘇生を試みないと?蘇生というのは、人工呼吸に加えて、胸骨圧迫をするのが通常です。胸骨圧迫は、日本では心臓マッサージと呼ぶことが多く、ソフトに聞こえますが、胸骨を繰り返し強く圧迫することです。つまり、心臓の上のあたりの胸の骨をぐんぐん押すことで心臓のポンプとしての役割を回復させようとする方法です。身体が柔軟であれば、胸骨を繰り返し押しても弾力があるので、大丈夫ですが、高齢により固く、もろくなっていると骨折しやすく、また折れた骨の破片が肺を傷つけることもあり、決して安易な方法ではありません。救命を優先して、そういうリスクを覚悟して行うのです。心肺停止になった時、蘇生を試みなければ、人生は終わります。試みた場合の結果は大雑把に分けると以下の4つになります。① 蘇生はうまくいかず、終わりを迎える。② 一旦は蘇生が成功し、人工呼吸器等生命維持をしながら、回復を目指すが、結局心肺停止に至ってしまう。③ 蘇生が成功し、人工呼吸器等生命維持をしながら回復を目指すが、意識が戻らない状態が続く。④ 蘇生が成功し、人工呼吸器等生命維持をしながら回復を目指し、回復に至る。高齢で衰えが進んでいると、 結局①②、生命が持ったとしても③になることが大半だと言われています。上記④の可能性がある場合、回復した後にどういう生活が見込まれるかを考えましょう。3-2で生命維持をするかどうかを考えた時、やれば暫くは人生が続くけれど、その中身を考えると、本人に益がないのに無理やり生かしているようだ、と思われる場合は、 おすすめできませんでした。それと同様に考えてみてください。ご自分の場合を考えてみましょう次頁の記入欄・記入例を参考にして、「記入編」P10に記入してみてください。記入の仕方は前項の場合と同様です。ただ、次の点が他の項目と違う点ですので、注意してください。記入に際しては、《壮健》の時期から老いの進み方の程度が軽い時期までは、見つかった状況によりますが、蘇生がうまくいく可能性があり、一般的価値観によれば、回復後に生きていて良かったと思える人生が可能な場合もある時期です。ですから、心肺停止にいたった経過にもよりますが、専門医が医学的判断により、まず蘇生を試み、その結果を評価して、次にどうするかを考えるのが一般的な順序となるでしょう。

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