ここまで、呼吸器をつけるかどうかについて検討してきた内容を前提にして、今度はつけた呼吸器を外すかどうかを検討していきます。すでにつけている呼吸器を外すかどうかをお考えの方も、「人工呼吸器をつける?つけない?」を復習してから次にお進みください。
TLcS(伝えたいことや表現したいことがまったく伝えられず、回復の見込みがない状態)になっても、呼吸器をつけ続ければ、生き続けることができる。でも、もし呼吸器を外せば、そこで人生は終わりに。
誰かに伝えたいことがまったく伝えられない、自分をまったく表現できなくなったら、いったいどうやって人間らしく日々を過ごせばいい?確かに、まわりから情報は伝わってくるだろうけど、それに応えることもできず、何も表現できないなら、まわりにたくさん人がいても孤独になってしまう。私だったらやっていけない。そんな日々を想像するだけで怖い。
それなのに、生き続けよ、とばかりに呼吸器を外してくれないの?それって精神的な虐待じゃないか。生きたままの虐待は、ひと思いに死ぬよりも、よほど辛いよ。
今、意思疎通ができている状態で、将来のTLcSを想像しているわけだから、怖くて当然だと思う。でも、こういう考え方もあるよ。


